//【地産知詳 特集】素材の持つ美味しさを究める。小さな牧場の大きな挑戦。

【地産知詳 特集】素材の持つ美味しさを究める。小さな牧場の大きな挑戦。

今注目のメイドインカゴシマ
豚やカンパチなど鹿児島が全国有数の生産量を誇る農水産物はよく知られていますが、その根底にある作り手の想いにも注目!「素材のカを活かし切る」というこだわりが詰まった高付加価値な食品の中でも、とりわけ全国から注目を集める2件を紹介します。

「命を預かる責任を持ち、一頭丸ごと使い切る」

鹿児島県鹿屋市、緑豊かな自然に囲まれ、空気さえも清々しさを感じる場所に『ふくどめ小牧場』はあります。

この環境の下、国内ではここだけという品種“サドルバック”と、同豚をかけ合わせたオリジナルの品種“幸福豚”を飼育。生産から販売までの一貫体制で、牧場名に「小」が付くのは、家族経営の小さな牧場だから。

長男が飼育を、次男の洋一さんが加工・製造を担当しています。洋一さんはドイツで加工技術を学び、7年間の修業後2009年にマイスターの国家資格を取得。帰国後の2012年に両親や兄と『ふくどめ小牧場』をスタートさせました。

「命を預かっているという責任を持ち、脂も皮も骨も捨てることなく一頭丸ごと使い切っています」と話す洋一さん。その思いが表れたかのように、売店にはあらゆる部位が並んでいます。

(写真)ショーケースが置かれた店内。華美な装飾のないシンプルな空間が、かえって製品の本質に向き合おうとする真摯な姿勢を感じさせる

肩に白いラインの入った”サドルバック”の看板が目印

 

雄大な自然の下、清潔な環境で伸び伸びと育てられている“サドルバック”

 

ここでしかお目にかかれない製品がずら り。聞き覚えのない部位のことも気軽に聞いてみて

 

人気の幸福豚100%の冷凍ハンバーグ(焼き) 390円。 肉本来の旨みを余すことなく堪能できる

 

どれにしようか迷ってしまいそうなほどサラミの種類も豊富

 

左上“コッホシンケン” (豚モモ の端)、右上“モルタデッラ(ソーセージ生地に角切りの背脂とピスタチオ入り)など、バラエティー豊かなハムの種類

 

ソーセージ生地に赤と緑のパプリカを練り込んだ“パプリカリオナ”

 

気軽に本格的な味を楽しんでもらいたい

現在同牧場では“サドルバック”約300頭と、その2倍の数の“幸福豚”を飼育。病気に弱いとされる豚は飼育が大変なため「自分たちの目の届く範囲で育てたい」と洋一さん。

「まっすぐ、丁寧に、手間暇かけて」のモットー通り、頭数を増やさず一頭一頭と向き合う飼育に力を入れています。販売だけを担う精肉店とは異なり、顧客の要望によっては一頭丸ごとつぶさねばならず相当な労力を要しますが、それでも「本物の味を提供したい」と製品づくりに余念がありません。

その惜しみない情熱が自然と伝わるのか、ショーケースに並ぶ腕モモや足などの珍しい部位を見て質問攻めをする人も多いようです。化学調味料に頼ることなく、素材の美味しさが最大限に活かされたハムやソーセージの味わいには、今までにない感動を覚えるほど。

「自家配合の餌も、これからは地元産にこだわるようにしたい」。小さな一歩をも大切にする洋一さんの姿勢が、さらなる夢に繋がっています。

燻製されたソーセージが並ぶ部屋。美味しさを保つため一つひとつの工程が丁寧に行われている

 

「家族経営だからこそできるきめ細やか な対応で、良質な肉を多くの人に届けたい」と、マイスターの国家資格を持つ福留洋一さん

 

じっくり丁寧に作られたソーセージ・チョリソー類にはファンも多い

 

ガラス張りの加工場では、間近に解体・製造の現場を見学できる

 

食べやすさが人気の赤身の多さと柔らかさを併せ持“幸福”

 

再開が待ち遠しいカフェスペース。緑豊かな自然の中でいただく肉料理は最高だとか

 

各方面でさまざまな賞を受賞

 

ふくどめ小牧場

【住】 鹿屋市獅子目町81-1
【営】 9:30~17:00
【休】 月曜・火曜
【P】 あり
【キャッシュレス決済】 あり
【問】 0994 (48) 2324
https://fukudomesmallfarm.com