LEAP防災コラム“考えよう!身近な防災”
あの日、鹿児島では…
今から30年前の平成5(1993)年8月、鹿児島を未曾有の水害が襲いました。記録的な長雨と集中豪雨により、県内各地で次々に土石流・山崩れ・洪水氾濫が発生。多くの犠牲者を出し、さらに家屋や交通網、ライフラインに甚大な被害をもたらしました。
車を持つことがステータスだった時代、読者からは車両の被害を嘆く声が多く届きました。一方で、「自然の怖さとともに、人の温かさを知った」との声も。
鹿児島市高麗町の損害保険代理店、アイネットライフ(有)井立田さんも、甲突川の氾濫により同年完成したばかりの事務所が浸水被害に遭いました。「汚水があふれ、避難所も浸水するなど周辺はひどい状況でした。胸まで水に浸かった人を家屋の2階に避難させる人がいたり、学校の先生が安否を尋ねてボートで巡回したりと、住民同士の助け合いで救われた人も多かったでしょう」と振り返ります。
被害の大きかった竜ヶ水地区の様子は衝撃だった(井立田さん)
今、必要な備えとは?
8・6水害後、様々な防災対策が講じられ、街の構造もずいぶんと変わりました。しかし災害が頻発している昨今、これまで大丈夫でも、この先どうなるかは分かりません。「あの日を体験したからこそ、他人事じゃないと感じるのです」と話す井立田さん。建物や車両が損壊した人たちの対応に当たる中、保険金がすぐに支払われたおかげで救えた人がいる一方で、保険がきかずその後廃業に追い込まれるなど、生活が危ぶまれる人も目の当たりにしたと言います。災害の前で、人間はなす術がありません。命が一番大事ですが、その後の暮らしを守るための備えも必要です。教訓を生かし、各家庭・事業所で備えは万全か、今一度考えてみましょう。
アイネットライフ(有)井立田さん
詳しくは、お近くの損害保険代理店までお尋ねください。
一般社団法人 鹿児島県損害保険代理業協会
📞099(297)4641
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